IT銘柄をもし上場時から継続して保有していたならば

IT銘柄の中に、もし上場時から継続して保有していたとすれば今頃は億万長者になっていたかもしれない銘柄が存在する。

ヤフー <4689> がそれだ。ここでは、ヤフーを始めとした大型IT銘柄の株価変動を追っていく。

■大化け銘柄の代表格「ヤフー」の軌跡
ヤフーが上場したのは1997年11月4日のことだった。公募価格は70万円で、初値には200万円がついた。公募価格でこのIPO株を手に入れた人が、すぐに初値で売却したとしても、一瞬にして130万円の利益を得たことになる。

だが本題はここからだ。パソコンの急速な普及とともにヤフーもインターネット検索大手としての地位を着実に固めていき、その間に1株を2株にする株式分割を計13回実施、さらに2013年には1株を100株にする株式分割を行っている。つまりIPO時には1株だったところが、それをずっと持ち続けていた場合には、なんと81万9200株に増えたことになる。

公募価格の70万円でIPO株を入手していたとしよう。7月7日の終値449円で計算すると、現在の資産価値は、1株449円が81万9200株、つまり3億6782万800円にもなっていたのだ。

■過去の大型IT系企業のIPOとその後
ここでは、過去に上場したいくつかの大型IT銘柄について、IPOの際とその後の株価変動を見てみることにしたい。

Google 上場以降はほぼ右肩上がり
2004年8月19日にNASDAQに上場したGoogleの公募株価は85ドル。初値は100ドルだった。株価は上場以降ほぼ右肩上がりの上昇を続けている。2014年4月には1対2の株式分割を実施、2016年7月6日の株価は697.77ドルになっている。つまり上場時に100万円勝っていれば、今1640万円になっているということだ。なお、GoogleはNASDAQに2種類の株を上場しているが、これは議決権の有無によるものである。

Facebook  上場時から約3倍に
2012年5月18日にNASDAQに上場したFacebookの公募価格は38ドル。初値は42.05ドルだった。上場後しばらく低迷していた株価も、2013年の半ばからは右肩上がり傾向を続け、2016年7月6日には116.70ドルになっている。上場時に100万円買っていれば、今307万円となっている計算だ。

Twitter 上場後はふるわず……
2013年11月7日にニューヨーク証券取引所に上場したTwitterの公募価格は26ドルだったのに対し、初値は45.10ドルをつけた。ところが2013年12月26日に73.31ドルの終値を記録して以降、株価は右肩下がり傾向となり、2016年7月1日には17.20ドルになっている。上場時に100万円買って現在も保有していたとすると、今は約34万円の含み損となっている。

ディー・エヌ・エー <2432> 上場時から約10倍に
2005年2月16日に東証マザーズに上場したディー・エヌ・エーの公募価格は22万円。初値は68万2000円だった。2005年9月に1対3の株式分割を実施、2007年12月に東証一部に市場変更を行い、2010年5月には1対300という大規模な株式分割を行っている。2016年7月7日の株価は2444円だった。上場時に公募価格の22万円で買っていれば、今は約200万円となっている。

サイバーエージェント <4751> 公募価格は1500万円
2000年3月24日に東証マザーズに上場したサイバーエージェントの公募価格は1500万円。初値も同じ1500万円だった。その後2000年7月に1対4の株式分割を実施、さらに2001年9月から2005年9月にかけて5度にわたって1対2の株式分割を行い、2013年9月には1対100の株式分割を実施している。2014年9月に東証一部へ市場変更も行った。2016年7月7日の株価は6570円だった。上場時に公募価格の1500万円で買っていれば、今は8409万円になっている。

ミクシィ <2121> 株価変動は激しいものの、上場時からは約3倍に
2006年9月14日に東証マザーズに上場したミクシィの公募価格は155万円だったが、同日中は買い気配のまま売買が成立せず、15日になってようやく初値295万円がついた。2007年6月に1対2の株式分割を実施、さらに2013年3月には1対100、2014年6月にも1対5の株式分割を行っている。
ミクシィ株で特記すべきは、2013年末以降の大暴騰だろう。その原因となったのは、言うまでもなくスマホ向けのゲーム「モンスターストライク」の大ヒットだった。同銘柄の2016年7月7日の株価は4375円になっている。上場時に公募価格の155万円で買っていれば、現在437万円となっている計算である。

 
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